食育

世界の食育事業の事例を紹介

食育分野は、いわば、「レッドオーシャン」です。レッドオーシャンとは、ライバルの多い激戦市場ということです。

食育分野は人気の業種になるので、自分がなりたい、したい活動や事業をすでに先にされていることが多くなります。そうすると、その世界で目立つ存在になることは、とても大変なことです。

ところが、レッドオーシャンな業界やテーマであっても、うまく自分を見つけてもらえる方法はあります。その一つに、世界の最先端の食育活動や事業を知ることです。

世界で人気の、でもまだ日本では行われていないコトは、「ブルーオーシャン」になります。ブルーオーシャンとは、ライバルのいない、大海原に一艘のボートという状態のことです。

ここでは、世界の食育事業に絞って4つの事例をご紹介します。

 

1. 都会むけ堆肥ビジネス

ニューヨークでは、生ゴミと新鮮な野菜を交換できるサービスがあります。

1-1. ハロー・コンポストとは

ニューヨークに、「Hello Compost」というサービスがあります。「compostとは、堆肥のことです。

堆肥は、家庭から出る食べ残しといった生ゴミを新鮮な野菜と交換できるサービスです。リンゴの芯や卵の殻など生ゴミをニューヨーク近郊で採れた新鮮な農産物と交換できるサービスがあります。

リサイクルの当日、ニューヨーカーたちがいそいそと持ってきた生ゴミは、計量され、ポイントに換算されます。こうして貯めたポイントによって、ニューヨーク近郊で栽培された新鮮な果物や野菜に交換できます。

そして、リサイクルとして集まった生ゴミは、堆肥化されて生産者に販売されます。

1-2. リサイクルさせる工夫

生ゴミと新鮮な野菜を交換できるサービスがあっても、それだけでは多忙なニューヨーカーをリサイクル行動に駆り立てることができません。

そもそも人々の意識の中には、「生ゴミのことはなるべく考えたくない。さっさと捨て去って、あとは意識から遠ざけたい」という心理があります。

そこで、その心理を逆手にとって考えられた工夫が、「リサイクルの行動をファッションにする」「リサイクルの行動を妨げる要因(臭いものは早く捨ててしまいたい)を排除する」工夫でした。

1-2-1. かわいいリサイクルバック

いかにもゴミ袋とわかるビニール袋ではワクワクしません。街歩きのバッグとしても使えそうな可愛いデザインにしました。リサイクルの行動が、ファッション化します。

1-2-2. 消臭効果のあるリサイクルバック

このリサイクルバッグは、生ゴミの臭いをブロックする素材で作られています。しかも、袋のまま冷凍することができます。

生ゴミを捨てずにリサイクルに出すまで我慢するのは、あまり楽しいことではありませんね。しかし冷凍しておければ、保管することへの抵抗感は減ります。

 

こうした工夫により、今ではかなりの数のニューヨーカーが、この「Hello Compost」を利用するようになりました。

2. フルーツハンター

「フルーツ・ハンター」という仕事は、まだ知られていない新種の果物を求め、世界中を(主に、ジャングルになりますが)を探検します。

2-1. フルーツ・ハンターのインディー・ジョーンズ

フルーツ・ハンターは、新種のフルーツを探すインディー・ジョーンズといった雰囲気です。謎の職業ですが、どうしたらそんな職業になれるのかも分からないので、ちょっと魅力的に感じますね。

2-2. 日本の種苗会社に似た仕事がある

種苗会社さんの社員の方に、似たような活動をしている人がいます。日本には世界各国から珍しい果物が入ってきますが、まだまだ世界には我々の知らない果物がたくさんあるのでしょう。

2-3. フルーツハンターに関する本

こういう本が出ているので、興味のある方はどうぞ。

2-4. フルーツハンターに関するテレビ番組

NHKでフルーツ・ハンターの特集を放映していたようです。ときどき、再放送をしています。

BS世界のドキュメンタリー『フルーツハンター 未知の果実を探して』

YouTube でフルーツ・ハンターの特集動画が見られます。

3. 野菜だけのファーストフード店

ボストン近郊で「Clover Food Lab」という野菜だけのファーストフード店が展開されています。

3-1. Clover Food Lab

「野菜+ファーストフード」というと、まっさきに思い浮かぶのは「サブウェイ」だと思いますが、サブウェイは100パーセント野菜、というわけではありませんね。エビやサーモン、チキン、生ハムなども入っています。「Clover Food Lab」は、100パーセント野菜です。

3-2. Clover Food Lab のユニークな点

Clover Food Lab のユニークな点がたくさんあります。

3-2-1. メニューを開発できる

一般の人を集めたメニュー開発イベントを定期的に開催しています。そこで生まれたメニューをどんどん採用します。美味しさでも肉料理に勝つ、という意気込みを感じます。

3-2-2. スピーディ

Clover Food Labは、ファストフードであることを堂々と自認しています。注文されてから商品を出すまでのスピードにこだわっています。「マクドナルドほど早くはないが、 工夫によりかなり近づいてきた」ことを誇っています。

3-2-3. 昇給

お店がだんだん儲かってきて、従業員の給料を上げていることをときどきブログで告白しています。

シンプルなビジネスなので、ひょっとしたら日本でもすでにどこかで似たような事業を計画しているかもしれません。「味」と「スピード」をどうやって高め、維持できるかがポイントになります。

4. 家庭菜園のコンサルタント

プロの農業者は通常、自分の田畑で農業生産を行っています。しかし、自前の田畑を持たず、家庭菜園や市民農園を渡り歩く「流し」のプロ農業者がアメリカやイギリス、オーストラリアなどに大勢います。

こうした農業者は「バックヤード・ファーマー」と呼ばれています。

4-1. バックヤード・ファーマーとは

バックヤード・ファーマーは、たとえば、家庭菜園や市民農園をクライアントにし、定期的に巡回して農作業を行います。有機農業に関する指導やコンサルティングも行っています。

クライアントからすると、バックヤード・ファーマーは毎日来るわけではありません。週に1日といった頻度で来ます。バックヤード・ファーマーの来ないそれ以外の日は、コンサルティングや指導を受けたことに従ってクライアントが自分で農作業をします。

こういう職業なので、バックヤード・ファーマーになれば、土地がなくても独立できます。

4-2. バックヤード・ファーマーは土地も農具のいらない

バックヤード・ファーマーは、農地はおろか、農機や農具をそろえなくてもよいです。

一方、家庭菜園や市民農園にとっても、プロのサポートを受けながら、失敗の少ない収穫が期待できます。

4-3. バックヤード・ファーマーは農地設計するものもいる

凄腕のバックヤード・ファーマーにもなれば、家庭菜園や市民農園の設計まで行います。

4-4. バックヤード・ファーマーはピンで動かない

バックヤード・ファーマーはピン(単独)で動いているわけではありません。多くの場合、数人のバックヤード・ファーマーが集まって組織を作り、メンバーで分担して各地の農園を巡回しています。

5. まとめ

「ビジネスはアイデア」と言います。そのアイデアには「新奇性」が必要です。

日本は、海外からの情報を好みます。「アメリカで流行っている〇〇」のような宣伝文句に心を動かされます。現に、日本には欧米発の商品やサービスが多く見受けられます。

それは、食育分野でも同じことが言えるでしょう。欧米で流行っているものは、いち早く日本に輸入したほうがいいです。大いなるビジネスチャンスになります。

同時に、そういった海外の情報を敏感に捉えることが大事です。自分がやらないにしても知っていることで、人をつないだり、人に話ができたりして、そこで培った信頼によってビジネスが生まれるたりすることもあります。

 

食育総研

吉村司 吉岡岳彦

 

 

 

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吉岡岳彦

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