農業

農業のための土づくりについて

野菜を育てるには、まず土を知ルところから始めましょう。土の種類によって、通気性のある土、保水性のある土、排水性のある土など、違いがあります。栽培する野菜に応じて、適切な土を選びます。

ここでは、土づくりについて紹介します。

1. 良い土とは

良い土の条件とは、水はけが良い。水もちが良い。堆肥のような有機物を多く含んでいる土です。

土には色々なタイプの種類があります。粘土を多く含んだ重い土があります。砂のようにサラサラした軽い土があります。

農業に適した土は、重くもなく、軽くもなく、その中間に当たる土です。

 

1-1. 良い土の条件とは

良い土の条件は、以下の7点です。

  •  根が十分に張れる
  •  通気性と排水性が良い
  •  保水性・保肥性にすぐれている
  •  適正な酸度である
  •  清潔である
  •  異物が混ざっていない
  •  微生物が多く含まれる

 

2. 野菜づくりに必要な土の養分

野菜づくりに必要な土の養分は、以下の通りです。

2-1. 野菜づくりに必要な土の養分

野菜類の生育には、土に以下の養分が不可欠です。

2-1-1. 5つの養分(多量要素)

窒素

リン酸

カリウム

カルシウム

マグネシウム

 

2-1-2. 8つの養分(微量要素)

イオウ

ホウ素

モリブデン

マンガン

亜鉛

塩素

 

3. 野菜づくりに必要な土のpH

野菜の種類ごとに、生育に好ましいpHが異なります。適正なpHの土づくりを行います。

 

3-1. pH(ペーハー)

酸・アルカリの強さは、pH(ペーハー)で表します。

pH 7を中心に値が小さくなるほど、酸性が強くなります。

pH 7を中心に値が大きくなるほど、アルカリ性が強くなります。

 

3-2. 酸度を調整する

野菜の種類ごとに酸度を調整しなければなりません。

 

3-2-1. 酸性土壌を中和する場合

1㎡の面積を10cmの深さまで耕すとき、

消石灰を80~100g施すと、酸度が1上がります。

苦土石灰・有機石灰を100~150gを施すと、酸度が1上がります。

土の深さを20cmにすると、当然、2倍の量が必要になります。

石灰質肥料は、なるべく早く土と混ぜます。雨が降ると、石灰が固まってしまうので、注意してください。

 

3-2-2. アルカリ性の土壌を中和する場合

鶏ふんを長年繰り返し使っていると、次第にアルカリ性に傾いてきます。

アルカリ性になった土には、鹿沼土の細粒かピートモスを混ぜます。

 

3-2-3. 農作物別のpHの好適生育範囲

 

pH 6.5 ー 7.0 ほうれん草

pH 6.0 ー 7.0 大根、えんどう豆、アスパラガス、キャベツ、トマト

pH 6.0 ー 6.5 枝豆、ブロッコリー、かぼちゃ、きゅうり、ネギ、すいか、なす

pH 5.5 ー 6.5 かぶ、玉ねぎ、にんじん、いちご

pH 5.5 ー 6.0 さつまいも

pH 5.0 ー 6.5 じゃがいも

 

4. 有機物を混ぜ込む

安定して品質の良い野菜を収穫するには、十分な有機物を土に混ぜ込む必要があります。

 

4-1. 有機物で団粒化

有機物に含まれる微生物のはたらきで、細かい土粒同士が結びつきます。これを団粒化と言います。微生物によってネバネバした土は団粒化し、土の粒々のすき間が多くなって、通気性、排水性がよくなります。農作物の根にとって、環境がよくなります。

ただし、土粒が細かすぎると、雨が降ったときに水はけが悪くなり、土中の空気の入りが少なくなるので、注意してください。

 

4-2. 有機物を混ぜないと

化成肥料や配合肥料を施すことで、短期間で野菜を収穫できます。ただし、有機物の施用がなければ、土はだんだん痩せて生育が悪くなります。すると、収穫量や品質が低下していきます。

 

5. 堆肥と作り方と施し方

 

5-1. 堆肥の作り方

堆肥の作り方は、以下の通りです。

① 材料の落ち葉・枯れ草・わらなどは、手で握ったときに、水分がやっとしみ出るくらいのものを使用します。

② 市販のコンポスターなどを利用して、家庭用生ごみのリサイクルで堆肥を作る方法もあります。

 

5-2. 堆肥の施し方

堆肥の施し方は、以下の通りです。

① 全面施用 :堆肥を圃場の全面に散布し、土とよく混ぜ込む方法です。

② 作条施用 :畑の畦の肩の部分に、条状に施肥する方法です。

 

5-3. 主な市販堆肥の種類と特性

肥料に使われるのは、5大要素のうち、窒素、リン酸、カリの3要素になります。

カルシウムとマグネシウムは、石灰質資材として、土の酸性度の調整に使われます。

 

5-4. 5大要素の特長

5大要素の特長は、以下の通りです。

 

5-4-1. 窒素

窒素は、植物を大きく生長させる養分です。特に、葉を大きくするため、葉肥と言われます。

窒素が多すぎると、徒長して軟弱になり、病害虫に侵されやすくなります。窒素が足りないと発育が悪くなり、大きく育たず、収量が少なく、品質が悪くなります。

 

5-4-2. リン酸

リン酸は、花肥や実肥と言われ、開花や結実に不可欠の養分になります。

リン酸が多すぎると、鉄やマグネシウム、亜鉛を欠乏させます。リン酸が足りないと、発育不良から開花や結実の遅れ、子実の品質や収量の低下がみられます。

 

5-4-3. カリ(カリウム)

カリは、根の発育に関係するので、根肥と言われます。水溶性のため流れやすいため、少しずつ追肥することで、効果をあげます。

カリが不足すると、枯れ葉や落葉が早く見られ、病気にかかりやすくなります。

 

5-4-4. カルシウム(石灰)

カルシウムは、畑の土は徐々に酸性に傾きやすいので、土の酸度に応じて作付け前に混ぜるとよいです。土を中性に近い状態にしておくと、根張りがよく、土壌微生物の有益な菌を増やすことができます。

 

5-4-5. マグネシウム(苦土)

マグネシウムは、葉緑素の主成分です。不足すると、光合成のはたらきが悪くなります。

 

6. 肥料の種類と特徴

肥料の種類と特長は、以下の通りです。

 

6-1. 単肥

単肥とは、窒素、リン酸、カリのどれか一つを含む肥料のこと。

 

6-2. 配合肥料

配合肥料とは、窒素、リン酸、カリ原料を2成分以上混合した肥料のこと。

 

6-3. 化成肥料

化成肥料とは、窒素、リン酸、カリ成分が、バランス良く含まれる粒状の肥料のこと。

※配合肥料と化成肥料は、「複合肥料」と呼ばれます。

 

6-4. 有機肥料

有機肥料テャ、油かすが代表的。油かすには窒素だけでなく、リン酸、カリも含まれています。リン酸肥料として知られている骨粉にも、窒素が含まれています。油かすも骨粉も、それだけでは肥料成分が偏るので、他の肥料と配合し、成分のバランスをとるとよいです。

 

7. 野菜の要素欠乏の症状について

代表的な野菜の要素欠乏の症状については、以下の通りです。

 

7-1. キュウリ

キュウリの石灰不足は、葉の周縁が黄色くなります。苦土不足は、葉脈間が黄色くなります。肥料が多いと苦土の吸収が悪くなり、苦土不足が起こりやすくなります。低温によっても発生します。

 

7-2. トマト

トマトの石灰不足は葉縁部が黄色くなり、4段以降の果実に尻腐病が発生します。苦土不足は葉脈間が黄色くなります。石灰と苦土不足が起こりやすくなります。

 

7-3. ナス

ナスには苦土欠乏がよく見られ、葉脈間が黄化します。石灰欠乏は、葉縁の一部が黄色になります。苦土不足が起こりやすくなります。

 

7-4. コマツナ

コマツナのモリブデン不足は、葉がカップ状に内側に巻きます。

 

7-5. ネギ

ネギの窒素不足は、下葉の先から枯れはじめ、葉色が薄くなります。リン酸不足は、葉は濃緑で生育しなくなります。苦土不足は、下葉の苦土が若い葉に移行するため、外葉が黄色になります。

 

7-6. ブロッコリ

ブロッコリーの窒素不足は、下葉から黄色くなります。石灰不足は葉縁が黄変し、縁腐れになります。苦土不足は下葉の葉脈間が黄色くなります。

 

7-7. レタス

レタスの窒素不足は生育が悪くなり、若い葉は立性となります。カリ不足は葉縁の切れ込みが黄色くなります。石灰不足は葉の周縁部が褐変し、中心部が心腐れを起こします。

 

7-8. カブ

カブのカリ不足は、下葉の葉縁が黄色くなります。

 

7-9. ダイコン

ダイコンの石灰不足は、葉縁が黄色くなります。ホウ素不足は、サメ肌ダイコンや赤しん症が起こります。苦土不足が起こりやすくなります。

 

7-10. ニンジン

ニンジンの石灰不足は、根に丸い黒色斑点を発生します。

 

8. まとめ

良い土の条件とは、水はけが良く、水もちが良く、堆肥のような有機物を多く含んでいる土のことです。土には色々なタイプの種類があります。農業に適した土は、重くもなく、軽くもなく、その中間に当たる土になります。

 

食育総研

吉村司 吉岡岳彦

 

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