コラム

オーガニック野菜でよく見る『有機JAS規格』とは何か?詳しく解説します

スーパーで、野菜や果物を買うとき、『有機JAS規格』を目にしたことがあると思います。『有機JAS規格』は、「オーガニック」や「有機」などの印です。

私たちは買い物に行く際に、なんとなくそのメッセージに影響されて買うことがあります。でも、そういうイメージがあっても、『有機JAS規格』について正確に知っているという人は、実は少ないようです。

ここでは、『有機JAS規格』について細かく見ていきたいと思います。

1. 有機JAS規格とは?

日本の『JAS法』では、有機農産物と有機農産物加工食品を「オーガニック」として表示、あるいは販売する場合には、生産者や加工業者は、登録認定機関の検査・認証を受け、『有機JASマーク』を付けることが義務付けられています。

1-1. 有機JAS法制度の概要

JAS法に基づいて、『有機JAS規格』に適合した生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者に『有機JASマーク』の使用を認める制度です。

農産物及び農産物加工食品は、有機JASマークが付されたものでなければ、「有機○○」と表示できない制度です。

1-2. 有機JAS規格の基準

諸外国と同様に、コーデックス(食品の国際規格を定める機関)のガイドラインに沿って、農畜産業に由来する環境への負荷を低減した持続可能な生産方式の基準を規定しました。

  •  有機農産物にあっては、堆肥等で土作りを行い、化学合成肥料 及び農薬の不使用を基本として栽培
  •  有機畜産物にあっては、有機農産物等の給与、過剰な動物医薬 品等の使用の制限、動物福祉への配慮等により飼養
  •  これらの生産に当たっては、遺伝子組換え技術は使用禁止 など

2. JAS法とは?

JAS法とは、1950年に制定された「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」の通称です。

農林物資の品質の改善、取引の単純公正化、生産・消費の合理化を図り、農林物資の品質に関する適正な表示を定めた法律のことです。

2-1. JAS法は2つ

JAS法は、以下の2つから成り立っています。

2-1-1. JAS規格

「JAS規格制度」は、飲食料品が一定の品質であることや特別な生産方法で作られていることを保証する規格制度です。

2-1-2. 品質表示基準制度

「品質表示基準制度」は、原材料・原産地など品質に関する一定の表示を義務付ける制度になります。品質表示義務は、1999年の法改正で定められました。

2-2. JAS法制定以前は

JAS法制定以前は、「有機表示のガイドライン」に基づいて、生産者や加工業者の自主的な確認のみで有機表示が可能でした。

したがって、ガイドラインを満たさない食品が「オーガニック」として販売されることが、しばしばありました。そのため市場は混乱し、まじめにオーガニック農法で野菜を作っている人たちまで疑われるという残念な事態に陥っていました。

2-3. コーデックス規格に基づいて制定

JAS法は、国際的にオーガニックの表示ルールを決めようという潮流があり、それに準じて制定されました。

1999年、国連下部組織の食品の国際規格を定める機関であるコーデックス委員会で、『コーデックス規格』が発行されました。その翌年、コーデックス規格に基づいて、『JAS法』のオーガニック表示ルールが確立する運びとなりました。

2-4. 畜産物や水産物、加工品、繊維、化粧品にはJAS規格はない

現在、JAS法で認証が求められるのは、「有機農産物」と「有機農産物加工食品」のみです。畜産物や水産物、加工品、食品以外の繊維や化粧品などは、オーガニック表示のための認証がありません。これらは今後の課題と言えます。

3. オーガニック食品は栄養価が高い?

すべてのオーガニック食品は栄養価に優れているのかというと、まだそう結論づけするためには早いようです。もう少しデータの蓄積が必要のようです。

また、オーガニック農法ゆえ、害虫の毒などによって、逆に安全でない可能性がないわけではありません。

現段階では、栄養価が高いものもあるだろう。安全そうだろう。けれども、そういったことを示すデータが不十分である、ということだそうです。

4. まとめ

野菜や果物などを選ぶとき、『有機JAS規格』などを意識することがあるかもしれません。身体に良さそう、美味しそう、安全そうなどの良いイメージで、食品を選ぶ基準にされている方もいるかと思います。

『有機JAS規格』は、国が定めたオーガニックの認証基準です。絶対的な安全基準ではありませんが、なんとなく安心できる印かもしれません。

農畜産業では、環境への負荷を低減した持続可能な生産方式の基準を高めることが、世界的な潮流になっているようです。

 

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