食育

レシピ活用型の食育活動とは

個人で食育活動をしている人の多くは、個々の活動の中にレシピを提供することが含まれているでしょう。

一般の生活者を対象に講座や連載、発信をしていくためには、「結局、それはどうやって食べるの?」を知りたいので、それに答えるレシピを提供できるかどうかが求められるわけです。したがって、ライバルの存在が多い、飽和状態のテーマです。なので、レシピ分野では新しい発想をする必要があります。

ここでは、レシピ活用型の食育活動について、紹介します。

 

1. レシピ活用型の食育活動とは

食育活動をしている人の多くが、レシピ提供を活動の中に含めていると思われます。例えば、以下のようなものです。

・ 雑誌などに健康に関する記事を執筆する際に、レシピを載せる

・ 飲食店のコンサルティングをする際に、地産地消レシピを提供する

・ 農産物の販売促進のコンサルティングをする際に、その作物を使ったレシピを提供する

・ 食育講座のなかで、講座テーマに沿ったレシピを提供する

・ 食育的なレシピ本を出す

 

2. レシピと前衛芸術作品は似ている

レシピは前衛的な芸術作品とよく似ています。販売するときの価格は、まちまちです。一般的には、料理分野で有名な人が作ったレシピは、雑誌社などに高く売れます。そうでない人の場合には、かなり安く、あるいは無料だったりします。

では、レシピの品質が料理で有名な人とそうでない人と大きく違うのかというと、一概には答えられないようです。このあたりが、 レシピと前衛芸術作品とで、経済の構造が似ていると言われるゆえんです。

 

2-1. レシピは芸術作品と同じで、誰が作ったかが大事

食育活動に取り組んでいる人の中には、「レシピを高く買ってほしい」や「レシピ本も出版したい」と望んでいる人が少なくありません。

しかし、前述の通り、レシピと前衛芸術作品とでは 経済の構造が似ています。つまり、レシピの内容よりも、誰が作ったレシピかによって価格が影響されます。

そのため、将来レシピ本を出したいと思っている人のかなり多くが、「本を出せば有名になれる。有名になれば本が出せる」という、 卵が先かニワトリが先か的な堂々巡りを頭の中で繰りかえしています。

 

2-2. ネガティブ・ループのロジック

ネガティブ・ループのロジックは、以下の通りです。

レシピ本を出すには、自費出版は別として、まずは料理的に有名にならなければいけないと考えます。そのために、食の勉強をたくさんしなくてはならないと思い込みます。だから、食の勉強に没頭します。

この行動に陥った結果、 果てしなく食の勉強を続け、レシピ本を出すという目的になかなか近づけないことになります。このネガティブ・ループに陥った食育活動をしている人を見かけることがあります。

 

2-3. ネガティブ・ループから脱出方法

ネガティブ・ループから脱出する方法としては、思い切って発想を転換してみることです。ネガティブ・ループにはまる原因の一つは、「自分が作ったレシピを売りたい」というこだわりにあります。このこだわりを思い切って捨ててみるのです。

2-3-1. レシピ・メーカーが多い

レシピを作る人は、例えるならばメーカー(製造業者)です。大勢の人がレシピ開発に励んでいるということは、メーカーが多いということです。メーカーが多ければ、商品が大量に生産されます。

では商品が多いならば、次に人々が必要なものは何になるでしょうか?そうです。次に必要になるのは、流通ですね。

2-3-2. 流通を整える

レシピ製造業者がたくさんいるという事実を利用して、自分がレシピを開発するのではなく、人が作ったレシピを流通させようとするビジネスが実際に誕生しています。

メーカーがたくさんいるのに、エンドユーザーに届ける仕組みがないのであれば、届ける仕組み、つまり流通を考案した人がもっとも立場を強くします。

同様に、レシピ製造業者がたくさんいるのに、それを生かす仕組みがないのであれば、生かす仕組みを考案した人がもっとも有利になるでしょう。その最たる例が、言わずと知れた『クックパッド』というわけです。

2-3-3. クックパッド

クックパッドに掲載されている個々のレシピの質は、本格的に食育活動をしている人にとっては参考にならないものが多いかもしれません。けれども、生活者にとってはありがたい存在です。そして、レシピを流通させようとした事業アイデアは、たいへん秀逸です。

2-3-4. 新しいレシピサイト

すでにクックパッドなどのレシピサイトが、無料で多くのレシピを紹介しています。少し難しいレシピは、有料の会員サイトで紹介しています。会費で収益をあげています。

でも、キャッシュポイントはそれだけでなく、実際には、クックパッドはレシピを流通させることで、サイトのアクセスを増やし、広告収入などを獲得するなどの収益モデルになっています。

世の中に溢れているレシピを集めて、新しいキャッシュポイントのレシピサイトを構築すると、大きな事業へと発展するでしょう。

 

3. まとめ

レシピ活用型の食育活動は、有名な料理家は高くレシピが売れ、そうでなければ無料に近いものになります。したがって、レシピ本を出版したいと思っても、誰が書くのかによって、声がかかる、かからないがあります。

そこで、この分野ではなかなかとがることができにくいため、発想を思い切って転換してみて、レシピを提供するプラットフォームを作り、運営する側にまわるなどをおすすめします。そして後発のレシピサイトになるので、そこに新奇性を持たせる工夫や、単純にレシピを生活者に売るというものでない仕組みを作るといいでしょう。

 

食育総研

吉村司 吉岡岳彦

 

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